了解日本 1

日本は四方(しほう)(しほう)が海に囲まれ(かこまれ)、新鮮な魚介類がたっぷり捕れます。だから、捕った魚を生で食べる料理が発達しました。
生に近いほうが食材本来の味がわかりますし、栄養も壊れません。以前は魚介類(ぎょかいるい)だけでしたが、明治以降に肉食(にくしょく)が一般化(いっぱんか)されてからは牛とか馬の肉も刺身にして生で食べるようになりました。
鶏(にわとり)刺(とげ)と言って鶏の刺身や、レバ刺しと言う肝臓(かんぞう)の刺身まであります。しかし、生ものは細菌(さいきん)が繁殖(はんしょく)しやすいので注意をしないと食中毒(しょくちゅうどく)になります。

蕎麦は日本特有の麺類です。蕎麦は植物の一種で、小麦粉(こむぎこ)を混ぜて(まぜて)麺にします。蕎麦は栄養が非常に豊富です。忍者(にんじゃ)の非常食料(しょくりょう)も蕎麦粉と小麦粉が主原料でした。
しかし、煮る(にる)ときにお湯の中に栄養が流出します。蕎麦の煮汁は蕎麦湯として飲用します。
蕎麦屋では、店員に言えば無料で出してくれます。好みにより「薬味(やくみ)(葱、七味(しちみ)唐辛子(とうがらし)、わさび、海苔(のり)など)」を入れて食べます。なお、洋菓子の「モンブラン」も俗称で「お蕎麦」と呼ばれることがあります。

丼物(どんぶりもの)
丼(どんぶり)とはご飯を入れる大きいな碗のことで、上におかずを載せるものを「丼物」と言います。丼物には「天丼(てんどん)」「カツ丼」などがあります。諸外国(しょがいこく)で一番有名なのは、日本でもチェーン店が多い「牛丼」かもしれません。
外国との違いは、女性が一人で入ることがまずいです。日本以外の国では、女性がどこで食事をしても自由なようですが、にほんでは男性向け、女性向けの区別があります。
女性が丼物を一人で食べないのは、もともとが、お膳(おぜん)に乗せた(のせた)正式料理を食べる時間のない労働(ろうどう)階級(かいきゅう)の人の食べ方だからです。仕事の合間(あいま)にヘルメットをかぶったまま、地べた(じべた)に座って掻きこむ(かきこむ)ように食べるのが普通で、女性が食べるには下品とみなされるのです。

寿司は日本料理ですが、起源(きげん)はタイだそうです。元々は魚を米(べい)につけて一緒に発酵(はっこう)させる保存食だったそうです。
タイでは米は食べませんが、日本では一緒に食べるようになりました。発酵には時間がかかるので、即席(そくせき)で作るためにご飯に酢(す)を混ぜるようになりました。それが日本独特の「酢(す)飯(めし)」です。
酢飯の上に、魚だけでなくいろいろなネタを乗せて食べるようになり、今の形になったそうです。握り(にぎり)寿司(すし)(関東)、巻き(まき)寿司(すし)(関西)の他に丼にした散らし(ちらし)寿司もあります。

和菓子とは、日本伝統のお菓子です。和菓子も寿司などと同じく、職人(しょくにん)によって作られてきたお菓子です。渋くて(しぶくて)苦味(にがみ)のある日本茶とともに食べるため、甘さが強いのが特徴(とくちょう)です。
反対(はんたい)は、ケーキなどの「洋菓子」です。元々は、明治時代以降に外国から伝わったものが発展してできたものです。
ですから、その前に伝来した羊羹やげっぺいなどの「唐(とう)菓子(かし)」、ポルトガルから伝わり発展したカステラなどの「南蛮(なんばん)菓子(がし)」も和菓子の範疇(はんちゅう)に入ります。和菓子は伝統的世界ですが特別な規定はなく、毎年職人によって新しい創作菓子が作り出されています。

形焼(にんぎょうやき)
人形焼は、数ある和菓子の中のひとつです。浅草が本拠地(ほんきょち)でした。中に餡(あん)が入っているものとない物の二つがあります。
餡は、こし餡(こしあん)やつぶ餡、あるいは抹茶あんなどがあります。中には洋菓子のカスタードクリーム(シュークリームの中身)が入っているものもあります。
浅草寺などの屋台(やたい)で売っているものは、その場で焼いたものなのですぐに食べないと風味が落ちます。しかし、箱に入ったものは工場で量産されたものなので、一ヶ月くらいの保存ができます。

納豆(なっとう)
納豆は大豆(だいず)を納豆(なっとう)菌(きん)によって発酵させた日本の食品です。納豆も起源は中国で、豆腐と同じように大豆から作られます。しかし、中国から輸入(ゆにゅう)された納豆と、現代(げんだい)の糸(いと)を引く納豆は同じではありません。
納豆はかき回し、糸をたくさん引いたほうがおいしいし、酵素(こうそ)が増えて体にいいです。発酵して作るので臭み(くさみ)があり、また粘々(ねばねば)しているのでいやだと言って食べない人もいます。
特に、関西(かんさい)の人には納豆を食べる習慣がありません。しかし栄養は豊富(ほうふ)で風味(ふうみ)があり、諸外国にも輸出されるまでになってきました。

たこ焼きは関西が起源で、小麦粉の生地(きじ)の中にたこの小片を入れて焼き上げた日本の料理です。関西では男女を問わず(とわず)にたこ焼きの作り方を知っている人が多く家庭には必ずたこ焼き板がおいてあるそうです。簡単な料理に見えますが、だし汁(じる)や小麦粉などの比率が非常に難しいです。小麦粉が少ないと固まらず。多すぎるとモサモサしておいしくないです。
ですから、関東では自宅で作れるものとは認識(にんしき)されていません。関東ではみせが少なく、お祭りなどの夜店で食べることが多いです。反対に関西ではあちこちにある小民おやつです。

天麩羅も日本料理ですが、起源はポルトガルです。蝦(えび)や魚などの魚介類、あるいはナスやたまねぎなどの野菜類に衣(ころも)(小麦粉)を付けて高温の油で揚げます。
天麩羅を浸して食べる汁は「天(てん)露(つゆ)」と言います。好みにより大根おろしや、紅葉おろし(唐辛子を入れた大根おろし)を入れます。
魚のすり身を揚げたものを「天麩羅」という地方もあります。これはもともと西日本の方言で、標準語では「天麩羅」とは言いません。標準語ではこの料理を「さつま揚げ」と言います。

お酒は穀物(こくもつ)や果物を発酵させて作ります。日本酒を発酵させる主(しゅ)原料(げんりょう)は主に米です。上質の日本酒は最(さい)上質(じょうしつ)の水で作られるので、口(くち)当たり(あたり)が非常にいいです。
世界的に普及(ふきゅう)しているお酒はビールですが、これは麦芽(ばくが)を発酵させるので漢字(かんじ)では「麦酒」と書きます。最近の日本ではビールが課税(かぜい)対象(たいしょう)となり値段が上がり庶民(しょみん)の手に入りにくくなりました。
そこで、ビールと味をそっくりにした「発泡(はっぽう)酒(しゅ)」が人気です。発泡酒は原価(げんか)が安く税率(ぜいりつ)もビールよりに低いので一(いち)大勢力(だいせいりょく)となっています。

駅弁(えきべん)
駅弁とは駅で売っている弁当のことです。しかし、町でも買える普通のお弁当を駅で売っているわけではありません。
もともとは、旅の人のために、地元(じもと)の名産をお弁当にしたものを駅で売っていたのです。ですから、弁当箱(べんとうばこ)の形から、食材、調理(ちょうり)方法などがその駅とくとくのものが売られています。
駅によって、特色(とくしょく)が違うので、これら、全国の駅弁を一つずつ食べるのが、趣味の人や、食べ終わった箱とか、弁当の表紙(ひょうし)、箸(はし)袋(ぶくろ)などを収集(しゅうしゅう)する人もいます。

お握り(おにぎり)
お握りも、丼物などと同様、簡便化した食事方式です。丼物(どんぶつ)よりはるかに簡素で、主食で副食、おかずを包んで(つつんで)出来(でき)ています。箸も要らず(いらず)、片手(かたて)で食べられます。西洋(せいよう)のサンドイッチやハンバーガーと同じです。食べやすいだけでなく、弁当のように型崩れ(くずれ)せず、弁当箱も不要で,かさ張ら(かさばら)ないため、日本では遠足の日には、お握りを持っていくのが普通です。外見(がいけん)から、たね、中身の種類が分かるように、丸,四角(しかく)、三角(さんかく)などに形を変えるのが普通です。たねには鮭,白子、梅干,お果がなどを入れます。

和服(わふく)の和は、日本の別称ですが、時には呉服とも言います。これは三国時代の時に呉(くれ)の織物(おりもの)や着物の縫製(ほうせい)方法が日本に伝わったことにあるとされます。呉は中国の服という意味です。
和服は動きにくいですが,特々の美観を持ち,動きの制限が逆(ぎゃく)に特殊(とくしゅ)な身のこなしを必要とします。だから、茶道や花道或いは日本剣術などにおいても、正式な練習着としても、今でも使われています。
又、初詣(はつもうで)、成人式(せいじんしき)、お宮(おみや)や結婚式などの式典(しきてん)では,いまだに多用(たよう)されます。和服そのものではありませんが,柔道(じゅうどう)着(ぎ)や空手(からて)にも和服が改装(かいそう)して出来たものです。

下駄(げた)
下駄はもともと日本の履物(はきもの)で和服に合わせて履きます(はきます)。しかし,人の可視前(かしまえ)までは、男が学生服に合わせて履くと、粗野(そや)な人という悪い印象がありました。これを「蛮柄(ばんえ)」といいます。
以前は、身細(みぼそ)で、砂利(じゃり)の道路を歩くには、歯がついた高い下駄は便利でした。しかし、舗装された道路を下駄で歩くとうるさいので、だんだん下品(げひん)なイメージになったのです。
しかし、和服を着る機会の多い女性が下駄を履くことは依然(いぜん)多く、又、女性が履くと可愛らしいので、人気が回復しているそうです。

浴衣(ゆかた)
浴衣は和服の一種で、よく夏に着用します。正式な和服は、女性では振袖(ふりそで)です。しかし、特に女性の振袖は、着るのが大変で、髪も正式(せいしき)な日本髪(にほんがみ)にして服に合わせます。又、動きにくく、トイレも大変です。そこで、清涼(せいりょう)で簡便な浴衣がよく着られています。浴衣は薄い一枚の服と帯(おび)だけで着るのが簡単です。それに髪も普通のままで構いません(かまいません)。夏祭りや花火見物(けんぶつ)には、浴衣を着た若い女性がとても多いです。洋服姿だけを見られていると、ちょっと浴衣を着れば、又別人のように可愛く見える人もいます。

和服を着る職業(わふくをきるしょくぎょう)
落語家(らくごか)や相撲(すもう)とり、芸者(げいしゃ)と言った日本古来からの職業では、和服が仕事着です。あるいはお茶やお花などの伝統(でんとう)芸能(げいのう)でも、必ず和服で稽古(けいこ)します。又、和服そのものではありませんが、柔道(じゅうどう)、空手(からて)、剣道(けんどう)などの日本の武術(ぶじゅつ)、武道(ぶどう)、スポーツでは和服を基調(きちょう)とした練習(れんしゅう)着(ちゃく)を着用(ちゃくよう)します。和服は束縛(そくばく)が多いので、動きにくく、着崩れ(きくずれ)しやすい服装です。しかし、身に付けていると所作(しょさ)が細やか(こまやか)に、姿勢(しせい)が美しくなるという利点もあるのです。

第八日 情緒(じょうちょ)溢れる(あふれる)温泉王国

A:あー!肩(かた)が凝って(こって)います。温泉に入りたいですね。
B:温泉か。日本人は温泉が好きですね。どうしてですか。
A:日本には世界の火山(かざん)の10分の1があり、いたるところに温泉が湧き出し(わきだし)ています。国内ではおよそ2500の温泉地があり、延べ(のべ)人数に換算(かんさん)すると年間1億4千万人もの利用者がいるようです。また、温泉は昔からけがや病気を治す(なおす)ためにも利用されていて、心を癒し(いやし)、ストレス解消(かいしょう)にも効果(こうか)的です。近年、温泉による町おこしの機運(きうん)も手伝って(てつだって)か、新しい温泉が次々と発掘(はっくつ)され、なかには銭湯(せんとう)感覚(かんかく)で気楽に利用できる施設(しせつ)も急増(きゅうぞう)していて、休日ともなればどこも家族連れで大盛況(だいせいきょう)です。
B:なるほど。よくドラマとかでも指揮(しき)と関係なく露天風呂のシーンを見ますが。
A:そうですね。日本では、著名(ちょめい)な温泉場には旅館やホテルが立ち並び、大きなリゾート地を形成(けいせい)しています。最近は大自然と静寂(せいじゃく)を求めて(もとめて)山奥の一軒家(いっけんや)の温泉に人気が集まり、開放(かいほう)的な露天風呂で自然とのふれあいを楽しむ人も増えました。春や秋といった観光シーズンになれば、自然の恵み(めぐみ)が溢れ(あふれ)、素晴らしい風景(ふうけい)や美味しい食べ物を味わう(あじわう)ことができます。冬であれば、雪の舞う(まう)中温泉につかり、冷えた(ひえた)身体(しんたい)を温める情景(じょうけい)は心をくすぐります。夏という季節においても、温泉で汗(あせ)を流し(ながし)、さっぱりして爽快感(そうかいかん)が味わえます。温泉が体をいやし、自然が心をいやすとのことですね。
B:これを聞いて、私も入りたくなりましたわ。
A:温泉のところに、温泉の温度、成分、効能などが書かれている紙が貼って(はって)あります。人の体温(たいおん)より冷たい温泉もありますよ。また、色に関しても、普通のお湯と変わらない透明(とうめい)や乳白色(にゅうはくしょく)、褐色(かっしょく)と様々ですよ。もちろんにおんだって違いますし、効能もいろいろあります。自分に合った泉質の温泉を見つけるのも楽しいかもれませんね。
B:混浴(こんよく)もあると聞いたことがありますが、本当ですか。
A:ええ、昔はありましたが、最近は特に都市部(としぶ)ではほとんどなくなったと思います。しかし、家族風呂というのが最近の流行で増えてきており、ここでは家族や夫婦が、他人の目を気にすることなく混浴できるようになっています。
B:そうですか。日本に行ったら、私も絶対入らなくちゃ。

第六日 夏のクリスマスツリー―七夕

A:もうすぐ七夕(たなばた)ですね。今年は雨が降るかな。
B:七夕って7月7日ですね。それは旧暦ではないんですか?
A:日本では明治改暦(かいれき)以降、お盆が7月か8月に分かれるように7月7日又は月(つき)遅れの8月7日に分かれて七夕祭りが行なわれます。
B:そうなんですか。日本ではどんな七夕の伝説(でんせつ)がありますか。
A:私たちが日(ひ)ごろ耳にする七夕伝説ですが、天帝(てんてい)の娘である織姫(おりひめ)は、機(はた)を織る(おる)のが仕事です。しかし仕事ばかりする織姫を心配した天帝は、娘を天の川の向こう岸(ぎし)にいる夏彦(なつひこ)と引き合わせました。すると二人は恋(こい)に夢中(むちゅう)になって仕事を全く(まったく)しなくなってしまいました。それを見た天帝は怒り、二人を天の川の両岸に引き離し(ひきはなし)てしまいました。二人の様子(ようす)を哀れ(あわれ)に思った天帝は、一年に一度、7月7日の夜にだけあうことを許し(ゆるし)、天の川にどこからかやってきたカササギに橋をかけさせて会うことができるようにしてやりました。しかし7月7日に雨が降ると天の川の水かさが増し(まし)、織姫は渡ることができず夏彦も彼女に合うことができません。
B:かわいそうですね。中国にも似た(にた)ような伝説があります。
A:また、日本の七夕には、古くから伝わる日本独自(どくじ)の文化で、笹(ささ)に短冊(たんざく)をつけて願い事をするという風習(ふうしゅう)があります。カラフルな短冊がたくさん飾られ(かざられ)ている笹は、「夏のクリスマスツリー」と言われるほど、美しいものなんですよ。そして最後に笹の葉と短冊を一緒に燃やします(もやします)。それらを天に送り、織姫と夏彦の幸せを願いつつ、自分の夢が叶う(かなう)ように祈る(いのる)んです。
B:へー!これは中国やアジアの他の国ではない風習ですね。

第五日 民族の大移動―お盆

A:お盆(ぼん)のときに日本に一時帰国(いちじきこく)しますが、ほしいものがあったら教えてくださいね。
B:お盆ってなんですか?
A:お盆とは先祖(せんぞ)の霊(れい)を迎えて供養(くよう)する期間のことを言います。地域(ちいき)によって時期が7月15日の前後(ぜんご)だったり、8月15日の前後だったりですが、現在の報道(ほうどう)メディアでは、多数派(たすうは)である8月中旬(ちゅうじゅん)を「お盆」と称する(しょうする)ため、8月15日の前後を指すことが多いです。
B:この時期、みんな休みますか。
A:お盆は国民の祝日(しゅくじつ)になっていませんが、8月15日前後は平日であってもかなりの人が休日(きゅうじつ)になることが多く、学校の児童(じどう)・生徒(せいと)であれば大多数(だいたすう)は夏休み期間となります。官公庁(かんこうちょう)や金融(きんゆう)機関、サービス業は通常通りの業務を行っています。
B:休みの人は普通どんなことをしますか。
A:先祖の霊を祭る宗教(しゅうきょう)行事(ぎょうじ)だけではなく、国民的な休暇、つまり民族の大移動のお時期としての側面があり、仏教(ぶっきょう)的生活習慣を意識していない場合にはお盆は単(たん)なる夏休みなっていますが、全国的に大多数の人が墓参り(はかまいり)をするのが恒例(こうれい)です。また、田舎(いなか)に帰って、地元(じもと)のお祭りや花火大会を楽しんだりすることもできます。
B:じゃ、その時期になると列車とかとても込みそうですね。
A:そうですね。先祖の墓参りをするために、故郷(ふるさと)へ帰る人がたくさんいます。ふだん離れ離れ(はなればなれ)になっている家族や親戚(しんせき)が再開(さいかい)できることも、お盆の大きな楽しみになっているようです。「民族の大移動」などと言われるほど、お盆の前後には、多くの人がいっせいに帰省(きせい)して、またいっせいに都会(とかい)に戻ってきます。また、行楽(こうらく)に出かける人も多いので、交通期間はとても込んでいます。この時期に休みではない人は、7月から9月の期間中に夏休みを取り、混雑(こんざつ)や料金がピックのお盆の時期を避けて(さけて)旅行などをしたりすることも多いです。
B:夏い時期に混雑が重なる(かさなる)ととても疲れそうですから、その方がよさそうですね。

第四日 夏の風物詩―花火大会

A:あなたが好きな季節はいつですか。
B:冬です。あなたは?
A:私は夏が好きですね。日本では夏に各地(かくち)でいろいろな祭りが開かれます。有名な日本の夏祭りには京都の祇園祭(ぎおんまつり)、青森のねぶた祭り、仙台(せんだい)の七夕(たなばた)祭り、秋田の竿頭(かんとう)祭りなどがあります。そして、夏で忘れではいけないのが花火です。各地で花火大会が行なわれ、華やか(はなやか)で、まるで夜空(よぞら)に綺麗な花が咲いて(さいて)いるみたいで、夏の風物詩(ふうぶつし)となっています。浴衣を着て(きて)花火大会に行って、花火を見って、金魚(きんぎょ)すくいをしたり、たこ焼きを食べたりすることもできます。楽しいことがたくさんありますよ。
B:楽しそうですね。花火大会にはたくさんの人が集まってきますね。
A:そうですよ。何十万人も集まるところがたくさんありますよ。東京隅田川(すみだがわ)花火大会は毎年100万人近くも参加するらしいですよ。電車の中はとても込んでいて、浴衣と甚平姿(じんべいすがた)の人も多いです。会場の周りのレストランとかは一か月前から予約がいっぱいになってしまいます。
B:そうですか。なぜ日本人はそんなに花火が好きですか。
A:うん。難しい質問ですね。花火には「ぱっと咲く華やかさ」がある一方で、「ぱっと消える儚さ(はかなさ)」があり、それに侘び寂び(わびさび)を感じ取る日本の心が影響(えいきょう)しているのかな。
B:なんとなくわかります。なぜ花火大会は大抵(たいてい)夏に行われるのでしょうか。
A:日本の最も古いと言われている花火大会は、隅田川花火大会です。この大会は、1732年(享保(きょうほう)17年)に発生した大飢饉(だいききん)とコレラの死者を弔う(とむらう)ため、1733年(享保18年)旧暦五月二十八日、両国の川開きに花火を催した(もよおした)のが始まりとされています。それをならい今では、お盆(おぼん)の時期の夏に、全国各地で花火が打ち上げられるようになったと言われています。
B:そんなに古くから行われているんですね。

第二日 歴史は塗りつぶせるか

60年前、都内に住む国民学校5年生が日記にこう書いた。「本日は連合軍進駐の日とて、米機すこぶる低空にていういうと飛び行く。くやしいが如何(いかん)とも出来ぬ。ただ勉強するのみ」
  60年前,住在东京都内国民学校的一名5年级小学生,在日记里这样写到”今天是联合国军进驻的日子,美军的飞机在非常低的天空嗡嗡盘旋。无论怎样懊恼都无济于事了,现在(我们)能做的就是学习。
  やがて占領軍の命令で、教科書の軍国主義的な個所を墨で塗らされ、絶対と信じていた天皇中心の日本史が否定された。少年は思い知らされた、戦争の結果次第で歴史は書き換えられるのだと。
  不久接到占领军的命令,日本教科书中原本关于军国主义的地方全部被修改,对天皇绝对信仰的日本史也遭到全盘否定。少年们体会到历史是会因为战争的结果而被改写的。
  後にアメリカ歴史学会の会長を日本人として初めて務めた入江昭ハーバード大教授(71)である。このほど出した回想録「歴史を学ぶということ」(講談社現代新書)で、教科書の墨塗りが自分の歴史家としての出発点だったとふりかえっている。
  后来作为日本人首次担任美国历史学会会长的是入江昭哈佛大教授(71岁)。他在最近出版的回忆录《学习历史》(讲谈社现代新书)中,以自己作为历史学家的出发点回顾了重写教科书这件事情。
  それは、歴史は勝者が書くのだという単純な論ではない。「国家権力や政治的思惑によって歴史が書き換えられうるからこそ、歴史家はあくまでも自由な意思と努力で史実を追求しなければならない」という決意だ。
  这并不能简单地归结为历史是由胜利者撰写的。入江大教授认为「他们都是根据国家权力和政治的考虑而对历史进行修改的。不用说历史学家也必须按照自由的意思和努力去追求历史的真实」。
  入江さんの仕事の特色は、一国だけの狭い視点ではなく、国家を超える経済や文化の動きを視野に入れて、国際社会の全体像を描き出すことだ。「学問はナショナリズムから自由にならねばならない」という思いに支えられている。
  入江教授工作的特色,就是并非局限于一个国家狭隘的视野,而是把超越国家经济、文化的动向纳入其视野,对国际社会做出一个全体的描绘。这是由「学问必须从民族主义出发自由地发展」这个观点所支撑的。
  「歴史とは現在と過去との対話だ」(英国の史家E?H?カー)と言われるが、現在の問題意識で歴史はいかようにでも解釈できるということでは困る。教科書に墨を塗っても、歴史は塗りつぶせない。肝要なのは、塗りつぶした過去との冷静な対話ではないか。軍国少年から出発した入江さんの歩みがそれを示している。
  英国的史学家E?H?カー认为”历史是现在和过去的对话”,但现在的问题意识中历史却有多种解释,这一点又令他为之困惑。教科书可以重新撰写,但历史却是无法篡改的。重要的是,是否能够与被篡改的历史进行冷静地对话呢?从军国主义时代的少年到现在(成为教授的)入江先生,其经历正说明了这一切。

第一日 ソフトとの対戦

81歳の祝いを半寿と呼ぶ。半の字を分解すると八十一になるからだ。将棋界では、将棋盤のマス目の数にちなんで盤寿と呼ぶ。日本将棋連盟は来月、発足81年の節目を大阪市で祝う。
  81岁的喜寿被称为”半寿”。这是因为”半”字被分解后就成了”八十一”三字。在象棋界中,由于象棋盘方格的总数而被称之为盤寿。日本象棋联盟将于下月,在大阪市举行81周年庆典活动。
  棋界秋一番の話題は、プロ棋士とコンピューターの実戦が原則禁止とされたことだろう。公開の場で許可なく将棋ソフトと対局しないよう連盟が今月、所属の男女全棋士に通知した。違反すれば除名だという。
  据说在象棋界中今年谈论最多的话题是,原则上禁止职业棋手和电脑进行对决。象棋联盟于本月,通知了其所属的所有男女棋手,严禁在未经许可的情况下在公开场合与象棋软件进行对决。如若违反则处于除名处分。
  将棋ソフトには30余年の歴史がある。早大生らが74年に開発した第1号はまったくの初心者級で、一手ごとに30分も長考した。年々改良され、今ではアマ六段相当の腕を持つ。おととし静岡県であった将棋祭りでは、ソフトが団体戦を制し、主催者を驚かせた。最近では北朝鮮や英国で作られたソフトが日本製に迫りつつある。
  象棋软件的存在已经有三十余年的历史。早大生们于74年开发的第一号软件还完全处于初级者水平,每走一步都要考虑长达30分钟以上。但软件经年年改良,如今已经拥有业余6段选手的水平。前年在静冈县举办的象棋盛典中,象棋软件取得了团体赛的胜利,让主办方大为惊讶。最近在北朝鲜及英国等地制造的软件,其水平已步步紧逼日本的软件。
  コンピューター将棋に詳しい早大教授の滝沢武信さんは「詰めの局面ではもう人知を超えた。高段の数千人しか太刀打ちできないだろう」と話す。羽生善治四冠でさえ、対局後の詰みの確認にはソフトを使う。
  深谙电脑象棋比赛的早稻田泷泽武信大教授说道”在最后关头的局面,象棋软件已经超过了人智。或许只有高段的那数千人能够与其竞争”。连羽生善治这位获得4次冠军的选手,在对决的最后关头都会使用软件确认要走的步骤。
  ただ弱点もはっきりしている。中盤で攻め急がず、わざと定跡を外して指し続けると、ソフトが焦り出す。切り合いなら強いのに、じらされると弱い。武蔵に敗れた小次郎タイプか。
  只是软件的弱点也非常凸显。中盘进攻不懂抓紧时机,如果特意不按定式落棋,则软件也将不知所措。如果正面强攻,的确是软件的强项。但如若着急快攻,则缺点暴露无疑。就像输给武藏的那种小次郎类型吧。
  チェスも将棋も源流は、同じ古代インドの駒遊びと言われる。数千年かけて人類が磨いた技を、チェスではわずか50年でIBM製の人工知能が破ってしまった。将棋でも20年以内に名人が負けるという予測がある。囲碁やポーカーではなお人間が優位と聞くと、少しほっとする。
  国际象棋和象棋其源流,都同样来自于古印度被称之为”马驹子”的游戏。人类经过数千年锤炼而形成的技术,国际象棋仅通过短短的50年时间便被IBM制做的人工智能系统给突破了。即使是在象棋界中也有预测,说20年之内智能系统将战胜名人。不过据说在围棋界及扑克游戏中还是人类处于领先地位,听后稍稍可以放下心来。

每日十句(1)

1、ちょっと口紅(くちべに)を見せてください。
2、お望み(のぞみ)のブランドはありますか?
3、安ければ安いほどいいです。
4、予算(よさん)が合わないんです。
5、5千円しか持っていないんです。
6、ラジカセありますか?——收录音机
7、充電(じゅうでん)もできますか?
8、一番音質(おんしつ)がいいのはどれですか?
9、動かし方(うごかしかた)を教えてください。
10、これは女物(おんなもの)ですか?——女装

歴史は塗りつぶせるか

60年前、都内に住む国民学校5年生が日記にこう書いた。「本日は連合軍進駐の日とて、米機すこぶる低空にていういうと飛び行く。くやしいが如何(いかん)とも出来ぬ。ただ勉強するのみ」
  60年前,住在东京都内国民学校的一名5年级小学生,在日记里这样写到”今天是联合国军进驻的日子,美军的飞机在非常低的天空嗡嗡盘旋。无论怎样懊恼都无济于事了,现在(我们)能做的就是学习。
  やがて占領軍の命令で、教科書の軍国主義的な個所を墨で塗らされ、絶対と信じていた天皇中心の日本史が否定された。少年は思い知らされた、戦争の結果次第で歴史は書き換えられるのだと。
  不久接到占领军的命令,日本教科书中原本关于军国主义的地方全部被修改,对天皇绝对信仰的日本史也遭到全盘否定。少年们体会到历史是会因为战争的结果而被改写的。
  後にアメリカ歴史学会の会長を日本人として初めて務めた入江昭ハーバード大教授(71)である。このほど出した回想録「歴史を学ぶということ」(講談社現代新書)で、教科書の墨塗りが自分の歴史家としての出発点だったとふりかえっている。
  后来作为日本人首次担任美国历史学会会长的是入江昭哈佛大教授(71岁)。他在最近出版的回忆录《学习历史》(讲谈社现代新书)中,以自己作为历史学家的出发点回顾了重写教科书这件事情。
  それは、歴史は勝者が書くのだという単純な論ではない。「国家権力や政治的思惑によって歴史が書き換えられうるからこそ、歴史家はあくまでも自由な意思と努力で史実を追求しなければならない」という決意だ。
  这并不能简单地归结为历史是由胜利者撰写的。入江大教授认为「他们都是根据国家权力和政治的考虑而对历史进行修改的。不用说历史学家也必须按照自由的意思和努力去追求历史的真实」。
  入江さんの仕事の特色は、一国だけの狭い視点ではなく、国家を超える経済や文化の動きを視野に入れて、国際社会の全体像を描き出すことだ。「学問はナショナリズムから自由にならねばならない」という思いに支えられている。
  入江教授工作的特色,就是并非局限于一个国家狭隘的视野,而是把超越国家经济、文化的动向纳入其视野,对国际社会做出一个全体的描绘。这是由「学问必须从民族主义出发自由地发展」这个观点所支撑的。
  「歴史とは現在と過去との対話だ」(英国の史家E?H?カー)と言われるが、現在の問題意識で歴史はいかようにでも解釈できるということでは困る。教科書に墨を塗っても、歴史は塗りつぶせない。肝要なのは、塗りつぶした過去との冷静な対話ではないか。軍国少年から出発した入江さんの歩みがそれを示している。
  英国的史学家E?H?カー认为”历史是现在和过去的对话”,但现在的问题意识中历史却有多种解释,这一点又令他为之困惑。教科书可以重新撰写,但历史却是无法篡改的。重要的是,是否能够与被篡改的历史进行冷静地对话呢?从军国主义时代的少年到现在(成为教授的)入江先生,其经历正说明了这一切。

第一日 ソフトとの対戦

81歳の祝いを半寿と呼ぶ。半の字を分解すると八十一になるからだ。将棋界では、将棋盤のマス目の数にちなんで盤寿と呼ぶ。日本将棋連盟は来月、発足81年の節目を大阪市で祝う。

81岁的喜寿被称为”半寿”。这是因为”半”字被分解后就成了”八十一”三字。在象棋界中,由于象棋盘方格的总数而被称之为盤寿。日本象棋联盟将于下月,在大阪市举行81周年庆典活动。

棋界秋一番の話題は、プロ棋士とコンピューターの実戦が原則禁止とされたことだろう。公開の場で許可なく将棋ソフトと対局しないよう連盟が今月、所属の男女全棋士に通知した。違反すれば除名だという。

据说在象棋界中今年谈论最多的话题是,原则上禁止职业棋手和电脑进行对决。象棋联盟于本月,通知了其所属的所有男女棋手,严禁在未经许可的情况下在公开场合与象棋软件进行对决。如若违反则处于除名处分。

将棋ソフトには30余年の歴史がある。早大生らが74年に開発した第1号はまったくの初心者級で、一手ごとに30分も長考した。年々改良され、今ではアマ六段相当の腕を持つ。おととし静岡県であった将棋祭りでは、ソフトが団体戦を制し、主催者を驚かせた。最近では北朝鮮や英国で作られたソフトが日本製に迫りつつある。

象棋软件的存在已经有三十余年的历史。早大生们于74年开发的第一号软件还完全处于初级者水平,每走一步都要考虑长达30分钟以上。但软件经年年改良,如今已经拥有业余6段选手的水平。前年在静冈县举办的象棋盛典中,象棋软件取得了团体赛的胜利,让主办方大为惊讶。最近在北朝鲜及英国等地制造的软件,其水平已步步紧逼日本的软件。

コンピューター将棋に詳しい早大教授の滝沢武信さんは「詰めの局面ではもう人知を超えた。高段の数千人しか太刀打ちできないだろう」と話す。羽生善治四冠でさえ、対局後の詰みの確認にはソフトを使う。

深谙电脑象棋比赛的早稻田泷泽武信大教授说道”在最后关头的局面,象棋软件已经超过了人智。或许只有高段的那数千人能够与其竞争”。连羽生善治这位获得4次冠军的选手,在对决的最后关头都会使用软件确认要走的步骤。

ただ弱点もはっきりしている。中盤で攻め急がず、わざと定跡を外して指し続けると、ソフトが焦り出す。切り合いなら強いのに、じらされると弱い。武蔵に敗れた小次郎タイプか。

只是软件的弱点也非常凸显。中盘进攻不懂抓紧时机,如果特意不按定式落棋,则软件也将不知所措。如果正面强攻,的确是软件的强项。但如若着急快攻,则缺点暴露无疑。就像输给武藏的那种小次郎类型吧。

チェスも将棋も源流は、同じ古代インドの駒遊びと言われる。数千年かけて人類が磨いた技を、チェスではわずか50年でIBM製の人工知能が破ってしまった。将棋でも20年以内に名人が負けるという予測がある。囲碁やポーカーではなお人間が優位と聞くと、少しほっとする。

国际象棋和象棋其源流,都同样来自于古印度被称之为”马驹子”的游戏。人类经过数千年锤炼而形成的技术,国际象棋仅通过短短的50年时间便被IBM制做的人工智能系统给突破了。即使是在象棋界中也有预测,说20年之内智能系统将战胜名人。不过据说在围棋界及扑克游戏中还是人类处于领先地位,听后稍稍可以放下心来。